平成28年8月20日(土)・21日(日)の二日間、鶴岡市加茂コミュニティセンターにて、平成28年度庄内の達人プロジェクト「庄内の港町・加茂の達人を見つけよう」達人への聞き書き研修合宿が開催されましたので報告します。
はじめに、東北公益文科大学の渡辺暁雄准教授よりコメントを頂いておりますのでご紹介します。
この達人への聞き書きプロジェクトについては、文部科学省「地(知)の拠点」事業の一環として、東北公益文科大学でこれまで2年間、地域の達人への聞き書きを行ってきました。
今年度は加茂の達人。本当に加茂は「達人」の宝庫です。また高校生に聞き書きの手法を教える今回の加茂での合宿では、若手住民のみなさん、インタビューを引き受けてくださった長谷川芳男先生、極楽寺の合宿利用をご快諾くださった松本さん、協力してくれた金沢の佐藤仁さん、他にもたくさんの加茂の方々に支えられて合宿を成功させることができました。改めて感謝いたします。(渡辺暁雄准教授)
なお、今後の予定につきましては、今年の11月あたりに、すでに聞き取りを終えている皆さんの作品を用いて、加茂コミセンでワークショップをやりたいと思います。聞き書き作品について、参加してくれた高校生、大学生はもちろん、地元のワークショップ参加者のみなさんも読む「輪読」スタイルで行いたいと考えております。「輪読」を行うことで、聞き書き作品がより身近なもの、完成度の高いものになるようです。案外盛り上がりそうですね。
実施された聞き書きの概要と日程は次のとおりです。
平成28年度庄内の達人プロジェクト「庄内の港町・加茂の達人を見つけよう」達人への聞き書き研修合宿
主催:東北公益文科大学、鶴岡市加茂地区自治振興会
共催:平成28年度庄内の達人プロジェクト実行委員会、山形県庄内総合支庁、鶴岡市、酒田市、三川町、庄内町、遊佐町
後援:山形県教育委員会
協力:山形県立加茂水産高等学校
<概要>
(1)庄内の達人プロジェクトとは
「庄内の達人プロジェクト」は、庄内で活躍する「達人」を、「高校生」が訪ね、「聞き書き」をする中で、庄内地域がどのような人の思い、はたらき、関係性で成り立っているのかを知り、理解し、考えるためのプログラムです。
平成28年度は古くからの歴史文化を有し、地域振興に熱心に取り組む、鶴岡市の港町・加茂地区在住の「達人」たちにお話を聞きます。
近年では、地域に根ざした伝統的な文化を後世に受け継ぐことが難しくなっていますが、そうした難しい状況にありながらも、庄内地域の文化を大切に守り継承しようとしている人たち、また、伝統的な文化に新たな光を当てている人たちがいます。
学校生活の中では、なかなか出会うことのない、そうした「庄内の達人」と「聞き書き」を通して出会い、少子高齢化、地域経済・産業の課題、人口流出等の社会問題についても、達人が語る「ものがたり」を通して具体的に理解し、「社会」を知るきっかけとなります。
(2)「聞き書き」とは
「聞き書き」は、皆さんがイメージするように、相手の話を聞いて、それを文章にまとめる(書く)という手法です。
しかし、意外かもしれませんが、「聞き書き」は「自分」を知る作業でもあります。
相手の話を聞いて、その人の人生・生活・考え方に触れることーー相手と出会う事によって、皆さん自身も自分を知ることになります。
「聞き書き」では、皆さんが話し手から聞いた話を、あたかもその人が「語って」いるように、文章にまとめていきます。「語り手の語り口(ことば)」で丁寧にまとめられた文章は、それを読む人に共感を持って迎えられるでしょう。
(3)「聞き書き」の効用 一歩踏み出すために・・・
自分の生まれ育った地域が、どうも元気がないようだ、なんとかしなければならない、でも、どうしたらよいか分からない・・・
そんなモヤモヤした気持ちを解消するヒントが、「聞き書き」を通じた達人との対話の中で、きっと見つかるはずです。
そして高校生の皆さんが残す「聞き書き」作品は、世代を超え受け継がれ、今後、庄内という地域の未来を考える上での道標となることでしょう。
平成28年8月20日(土)、21日(日)研修合宿のプログラム
8月20日(土)〜聞き書き研修・実習〜
08:30 東北公益文化大学に集合・出発
09:30 加茂コミセンにて、開会式・主催者挨拶・オリエンテーション
09:50 大学生による聞き書き成果発表会(10分×3グループより報告、質疑)
10:30 研修(1)塩野米松先生(アンクル塩野さん)講義
11:30 聞き書き実習 ①インタビュー項目を考える
13:00 聞き書き実習 ②聞き書きの実践(インタビュー:長谷川芳男さん、40分程度)
13:40 昼食・休憩
14:40 研修(2)聞き書き実習 ③テープ起こし・レポートの作成
18:00 移動
18:30 入浴 いこいの村庄内
19:30 移動 加茂 極楽寺へ(宿泊)
20:00 極楽寺にて夕食
21:00 聞き書き実習 ④レポート完成
22:30 就寝
8月21日(日)〜レポート講評〜
07:30 起床・準備・移動 極楽寺から加茂コミセンへ
08:00 加茂コミセンにて朝食(特製おにぎり、いげし汁)
09:30 塩野米松先生によるレポート講評
11:00 休憩
11:05 今後の説明、達人紹介・希望調査、ふりかえり
11:30 閉会式
11:40 会場(加茂コミセン)出発 大学に移動(12:10到着)
「達人」候補の皆様(順不同でございます)
田澤 由喜 さん:加茂水族館副館長
田中 正志 さん:加茂地区自治振興会会長、加茂鍋島水泳クラブ代表
長谷川 芳男 さん:新生・加茂の文化遺産を愛する会発起人、加茂東町町内会長
西方 信夫 さん:加茂、浄禅寺住職
東 和雄 さん:加茂泊町町内会長、龍宮寺管理人、加茂のまちづくり役員
村上 美佐子 さん:加茂地区自治振興会放課後子供教室役員、加茂HP運営委員
齋藤 慎 さん:齋藤醫院院長
佐藤 恵美子 さん:油戸漁協女性部、オイルドア・レディース会員
田村 隆司 さん:加茂地区自治振興会副会長
渡部 和生 さん:加茂町内振興会会長、渡部工務店社長
石名坂 績 さん:加茂石野屋店主、元鶴岡第五中学校校長
加藤 達男 さん:漁師、磯見組合員
田澤 紀太郎 さん:漁師、磯見組合員
冨塚 壽一 さん:元加茂水産高等学校教員、元加茂山を守る会会長
土屋 仁 さん:加茂登町町内会長、前加茂町内会長会会長
小松 金悦郎 さん:加茂寿会会長、前加茂地区自治振興会会長
村上 寛 さん:元鶴岡消防第11分団長、村上建築社長
佐藤 東一 さん:漁師、金沢住民会副会長
参加された高校生のみなさん
伊藤 匠 さん、篠原 一哉 さん(山形県立加茂水産高等学校)
「庄内地域カレッジ」担当教員
小関 久恵 先生:公益大教員、庄内の達人プロジェクト担当
渡辺 暁雄 先生:公益大教員、庄内の達人プロジェクト担当
武田 真理子 先生:公益大教員
澤邉 みさ子 先生:公益大教員
白幡 希実子 先生:公益大教員
伊藤 眞知子 先生:公益大教員
大学生スタッフ
阿部 裕治 さん:公益大2年生
遠藤 帆乃郁 さん:公益大2年生
大江山 愛 さん:公益大2年生
川口 輝 さん:公益大2年生
川村 友汰 さん:公益大2年生
須貝 双葉 さん:公益大2年生
齋藤 良輔 さん:公益大2年生
佐々木 碧巴 さん:公益大2年生
佐藤 雄大 さん:公益大2年生
鈴木 那奈 さん:公益大2年生
三上 凌太 さん:公益大2年生
渡辺 渉子 さん:公益大2年生
渡部 青龍 さん:公益大2年生
「平成28年度庄内の達人プロジェクト実行委員会スタッフ」
伊藤 薫 さん:加茂地区自治振興会ホームページ実行委員会副会長
佐藤 祥子 さん:加茂地区自治振興会事務局、おもしろい”かも”会員
秋野 わかな さん:加茂地区自治振興会放課後子供教室役員
完成がとても楽しみですね