平成26年11月11日(火)午後18時30分より開催された、東北公益文科大学、公益教養プログラム、北海道大学の平川先生による「庄内浜・飛島の地震・津波防災を考える−日本海の大規模地震による津波推計の発表を受けて−」講演会に伊藤薫が参加してきましたので、報告します。

 

 北大の平川名誉教授は、津波による堆積物を調査し、炭素の年代を科学的に確認しながら、数千年前からの津波の足跡を研究されている方です。主に北海道で活躍されておられましたが、近年では、東日本大震災の関係もあり、東北地方の津波の足跡も研究されています。

 約二時間にわたる講演の中で、飛島には9世紀、10世紀に2回大津波が襲った大津波の足跡が残っていること、9世紀に出羽国府が高台に移転したこと、やはり1000年サイクルで大きめの津波が発生していることについて、お話しがありました。

 今年8月に国土交通省から発表された、津波の高さと到達時間が変更になった件については、今まで予想されていた佐渡北方沖地震等のエリアがより庄内沖に近づいたことも一つの要因とのお話しもありました。

 

<Point of Study>

平川先生のキーワードについては、

 「地震で50秒揺れたら、(大津波が来る可能性が高いので)何も考えずに高台へ逃げなさい」

 「ハザードマップからより実行動に近い、各戸の避難カルテを作成し、避難広場・避難路等の整備に役立てることが大切」

  避難カルテ:浸水想定地域の住民調査・住民ワークショップを実施

        各戸の家族構成や避難予定の場所、避難のルートや方法、避難の際介助が必要かどうかを調べる。10から15世帯ずつで作る住民組織毎にワークショップを開き、分かり易くまとめておくこと

 

 みんなで力を併せて、加茂地区を安全・安心な町にしていきましょう

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<大学のパンフレットより>

東北公益文科大学、公益教養プログラムFORUM21(文部科学省 地(知)の拠点事業)

庄内浜・飛島の地震・津波防災を考える

−日本海の大規模地震による津波推計の発表を受けて−

 今年8月末に、日本海大規模地震による津波推計が国から発表されました。そこで、国土交通省「日本海における大規模地震に関する調査検討会」のメンバーの一員であり、津波堆積物(過去数千年間に起こった巨大地震の痕跡)の研究で著名な平川一臣先生(自然地理学専攻)をお招きし、今後起こりうる庄内浜や飛島の地震や津波の可能性、そしてその防災・減災のあり方について、皆さまと考えて参りたいと思います。

 日時:平成26年11月11日(火)18時30分〜20時

 会場:東北公益文科大学 酒田キャンパス 301大教室

 講師:平川一臣氏

 *平川一臣(ひらかわ かずおみ)先生プロフィール

  1947年愛知県生まれ、早稲田大学教育学部卒業。東京都立大学大学院理学研究科地理学専攻修了。山梨大学助教授、東京都立大学理学部助教授を経て、1993年より北大大学院地球環境科学研究科教授。地理学者、理学博士。2011年より北大名誉教授。飛島や佐渡にも調査を重ねる。

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